苦労したまぜコン開発秘話|まぜコンシリーズ
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今回は、少し趣向を変えて、マルヤスのロングセラー商品混ぜない不思議な計量混合装置『まぜコン』が今の形になるまでの苦労した開発秘話についてです。
最初から今の形になったの?どうやって開発したの?ぶっちゃけ開発って何したの?等々、マルヤスの開発エピソードをお話ししてもらいます!
↓前回の記事はこちらから↓
お話ししてくれるのは、前回に引き続いて謎の男しゅんぺいさんと技術部 部長補佐の石川さんです。
よろしくお願いします!
前回のおさらい
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前回は配合割合を常に一定に保った原料を押出機に送り込むのがまぜコンだから、混ぜなくても良い混合装置ということをお話ししましたね
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今回はまぜコンがまぜコンになるまでのとーーーっても苦労した開発秘話をご紹介します
まぜコン一番のミソってなーに
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ところで石川さん、まぜコンの一番のミソは何だと思いますか?
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もちろん分かりますよ!なんたって技術部ですからね!
ズバリ、押出機直付の計量部があるということですよね!
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そのとーり!
マルヤスはまぜコンの開発に着手するずっーと前に、押出機に計量機を直付して押出量を計るということに着目して装置開発を続けてきたんです
そのスタートの装置が厚みコントロール装置です。その後、添加材投入装置のまぜ太郎の開発などに進んでいきます
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ちなみに、押出量を計量するとは、お水を計量カップに注ぐと、どのくらいの量のお水を注いだのか測れるように、何かを作る工程でどれだけの材料を使ったのかを正確に計量することを意味します
例えばプラスチック製品を作る際に、どれくらいのプラスチック原料が押出されて使われているのかをちゃんと計量することが大切です
これによって同じ形で同じ性質の安定した製品を作り続けることができるんです
正確な混合技術がとーっても難しい!
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それではまぜコンがまぜコンにたどり着くまでのお話をしていきます!
前々回、現場では混合ムラに困っていることを知って、混合ムラをどうにかなくしたい想いから混合装置の開発に乗り出したお話をしました
混合装置の条件として、混合割合が高くても低くても、どんな割合でも1つの方式で正確に混合できないといけません
実験機を作って施策を重ねていきましたが、ここの技術確立にものすごーく苦労しました…
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目指した混合機は
- 主原料の計量部を、押出機ホッパー口からなるべく近くして直結すること
- 押出機の回転数があがると主原料の流れる量が増え、回転数が下がると主原料の流れる量は減る
- 添加材の投入量すると、それに合わせて主原料の量が増えたり減ったりして添加材が確実に混合される
- どんな混合比率であっても混合出来る
というものです
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これが最初に作った混合機の試作機ですね!
主原料計量部の下、グレーの部分が筒状になっていて、その下に押出機があるイメージです
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試作機 第1号
主原料は自然落下で押出機に入っていく構造ですね
主原料の計量部の下側に、添加材を投入するサブユニットのスクリューを突き刺しています
スクリューで添加材を送り出す構造ですね~
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そうです!
想定では、添加材の量が増えると主原料の流れる量が減って、添加材の量が減ると主原料の流れる量が増えてくれると思っていました
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下の模式図は主原料の計量部下部にあるグレーの部分…本来なら筒状になっている箇所をアップにしたものです
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でも、世の中そんなに甘くなく…
この第一号は投入する添加材の量を増やそうとしても、主原料の量が減るわけでもなくて…
最大の問題点は、主原料の流れの中に添加材投入スクリューを突っ込んでいるので、主原料の流れによる負荷が添加材を強制的に送り出すスクリューに大きな影響を与え、添加材を送り出す量が常に不安定な状態になることでした
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で、気を取り直して第2号です
次はホッパーの中に小さなホッパーを作ってみました
内側のホッパーは空洞にし、外側に主原料を流してみます
で、そのあとに内側のホッパーにスクリューを使って添加材を送り込むと上手く混ざるのでは?という構想です
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こんな感じですかね?
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試作機第2号
これだと…主原料ばかりが押出機に入っていって、添加材が落ちていかない気がしますね…
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その通り!
第2号も添加材の量に合わせて主原料の量が減ってくれません
外側の主原料が減らないので添加材も上手く混ざっていかず…
いくら正確な量の添加材を内側のホッパーに落としても、外側の主原料の量が減らないと混合できません
特に問題だったのは、混合割合が大きい場合、つまり、内側のホッパーに添加材がたくさん入っている場合です
下の図のようにたくさんの添加材を送り込むためには、主原料もその分たくさん減る必要がありますが、それが全然減ってくれず…第2号の構造でも目指している混合機は難しいということが分かりました
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ついにたどり着いた答え!
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試作に試作を重ね、ついにたどり着いたのが
アリ地獄アダプター
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です!
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とってもシンプルな構造体ですね!
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そうなんです!
このアリ地獄アダプター、攪拌用のモーターなど一切の動力源はありません
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出た!混ぜない混合機の混ぜない部分だ!
ところでなんでアリ地獄って名前なんですか?
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アリ地獄に落ちてしまうと、吸い込まれて出てくることはできませんね
それと同じ機構を作り出したのです!だいはっけ~ん!
このアリ地獄アダプターに原料が入っていけば、どんな原料であっても全て押出機に入り込みます
もちろん主原料と添加材の比率を保ったまま!
このアリ地獄アダプターに原料を入れると、あらゆる混合パターンに適合が出来ちゃいます
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混合比率が高いとき、混合比率が低いとき、複数原料の混合などなど、なんでも混合できるんですね!
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少量から大容量までなーんでも混合できる夢のような混合機、まぜコンが誕生したってわけです
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さらには、このまぜコン、混ぜる構造体が一切ないので、粉が発生する心配もありません
まぜコンは、ただ単純に原料を計量しスクリューによって必要な原料を送り出してアリ地獄アダプターの中に落としていくだけで、混合ムラのない混合を実現します
ただし!条件が一つだけあります
それは添加材の供給量(動画では切出量)が正確であることです
添加材の供給量さえ正確であれば、あとはアリ地獄アダプターに落とすだけで、配合比率通りに押出機に入っていきますので!
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なるほど~~~~~!
これまでの計量技術があったからこそ完成できたアリ地獄アダプター、混ぜない不思議な混合機まぜコンだったんですね!
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何でも混合できると謳っているまぜコン
本当になんでも混合できるのか?については、色々な混合割合で実験している動画をアップしていますので、ぜひご覧ください!
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それではまたお会いしましょう
![](https://ehime-maruyasu.co.jp/wp-content/uploads/2023/08/9-150x150.png)
お読みいただきありがとうございました~
本記事ではillust STAMPO様の素材を使用しています。
今回のコラムを動画にしました。ぜひご覧ください。