混ぜない混合機の混合精度|まぜコンシリーズ
プラスチック成形時には様々な原料を複数混ぜ合わせて成形しますよね。
その組み合わせは無限大。
その分不安要素も無限大。
まぜコンならどんな原料混合の組み合わせでも、正確に・ムラなくものづくりが可能になります。
でもでも、それって本当??
そのような心配はごもっともです。
皆さまの不安を払拭すべく、混合精度に焦点を当てて解説していきます!
お話ししてくれるのは、前回に引き続いて謎の男しゅんぺいさんと技術部 部長補佐の石川さんです。
よろしくお願いします!
↓↓↓前回の記事はこちら↓↓↓
今回は混合の問題と、まぜコンならそんな悩ましい問題も解決できちゃう理由についてですね
プラスチックを成形するうえで、使用する原料や混合割合の種類は数えきれないほど多くあります
この原料の種類や混合割合で何が問題となるのかについてまずはお話ししていきましょう
用語の説明
その前に!今回初登場の用語を簡単に説明していきます!
まずは流動性ですね
プラスチック樹脂は温めると溶けて液体のようになります
このときの「流れやすさ」が流動性です!
流動性は、プラスチック樹脂がどれだけ簡単に流れるかを表す重要な特性です。この特性は、プラスチック製品を作る過程でとても重要になります。
- 樹脂の種類による違い:プラスチックにはいろいろな種類があります。例えば、ポリエチレンやポリスチレンなどです。これらの樹脂の化学的な構造や分子量によって、流動性が変わります。一部の樹脂は熱を加えるとサラサラになりやすく、他の樹脂はドロッとして流れにくいです。
- 加工温度と圧力:樹脂を加工するときの温度や圧力も、流動性に影響します。高い温度で加熱すると、多くの樹脂はより流動性が高くなります。ただし、あまりにも高温にすると樹脂が劣化することもあります。
- 添加剤の影響:プラスチックには、特定の特性を得るためにさまざまな添加剤が混ぜられることがあります。例えば、柔軟性を高めるための可塑剤や、色を付けるための着色剤などです。これらの添加剤によっても流動性が変わることがあります。
- 製品設計への影響:流動性は製品の設計に直接影響します。流動性が高い樹脂は、細かいディテールや複雑な形状の型に適していますが、強度が低くなる可能性があります。逆に、流動性が低い樹脂は、強度が高い製品を作るのに適していますが、加工が難しいです。
プラスチック製品を作るときは、これらの点を考慮して、目的に合った樹脂を選ぶ必要があります。例えば、おもちゃや容器などの日常的な製品では、適度な流動性と強度が求められます。それに対して、車の部品や電子機器のケースなど、より高い強度が必要な製品では、流動性が低めの樹脂が選ばれることが多いです。
それから嵩比重!
嵩比重は、物質の密度を比較するための指標です。物質の密度は、その物質がどれくらい詰まっているかを示します。そして、嵩比重は、その物質の密度を水の密度と比較した値です。
水の嵩比重は常に1です。つまり、水は水と同じ密度を持っているということです。一方、他の物質の嵩比重は1より大きいか、1より小さいかになります。
例えば、鉄は水よりも重いので、鉄の嵩比重は1よりも大きくなります。鉄の嵩比重が7.8だとすると、これは鉄が水よりも約7.8倍重いことを意味します。
逆に、木材は水よりも軽いので、木材の嵩比重は1よりも小さくなります。木材の嵩比重が0.6だとすると、これは木材が水の0.6倍の重さであることを示します。
ちなみにプラスチックの嵩比重は、プラスチックの種類や組成によって異なりますが一般的には、プラスチックは水よりも軽い傾向があります。
嵩比重は、物質の種類や成分を比較する際に便利です。異なる物質の嵩比重を知ることで、それらの物質が水に浮くか沈むか、または異なる物質の混合物の組成を評価するのに役立ちます。
というわけで、早速本題に移りましょう~
従来の混合方式の問題点、まぜコンで全て解決
従来の混合方式では、色々と問題がありましたが、今回は次の5つについてお話ししていきます
- 添加剤やマスターバッチ500g/h以下の混合時に混合ムラが発生
- 着色剤500g/h以下の混合時に色ムラが発生
- 流動性(MI)の異なる原料の混合時に混合ムラが発生
例)HDとLD、C4とC6の混合 - 嵩比重の大きく異なる原料の混合時に混合ムラが発生
例)嵩比重が主原料0.9と再生原料0.3の混合…ムラが発生! - 300g/h以下の微量混合ができない
この問題はぜーんぶまぜコンで解決出来てしまうんですよね!
その通り!
まぜコンで実際に実験してみたので、試験結果と合わせて一つずつ解説していきますね
①添加剤やマスターバッチ500g/h以下の混合
実験の様子は動画で見てもらった方が分かりやすいので、チャプターごとに紹介していきます
試験内容:総合押出量50kg/hに対して主材49.5kg/h、マスターバッチ0.5kg/hの混合
目標とする主剤とマスターバッチの割合:99:1
動画で見てもらった通り、2種類の材料を投入していますが、まぜコンでは混ぜていないのが分かりますね
アリ地獄アダプターによって配合通りに押出機の中に入っているんです
これを見ただけでは本当に配合通りに入っているかが分かりませんよ!
ちゃんと試験結果も集計していますよ!
主材とマスターバッチをまぜコンで混合したものをピンセットで仕分けた試験結果がこちらです!
回数 | 主材[g/m] | マスターバッチ[g/m] | 割合 |
1回目 | 820 | 8.5 | 99:1 |
2回目 | 826 | 8.3 | 99:1 |
3回目 | 822 | 8.1 | 99:1 |
②着色剤500g/h以下の混合
色ムラって目に見えて分かりやすいから、混合ムラはとっても心配ですよね…
まぜコンならだいじょーぶ!というわけで顔料を使ってまぜコンで実験してみました
試験内容:総合押出量25kg/hに対して主材24.5kg/h、着色剤0.5kg/hの混合
目標とする主剤と着色剤の割合:98:2
試験結果がこちら!
回数 | 主材[g/m] | 着色剤[g/m] | 割合 |
1回目 | 418 | 8.4 | 98:2 |
2回目 | 410 | 8.8 | 97.9:2.1 |
3回目 | 427 | 8.8 | 98:2 |
混合割合をキープしているのがお分かりいただけると思います!
③流動性(MI)の異なる原料の混合
どんどんいきましょう
流動性が異なる樹脂…例えばHDとLDだったり、C4やC6といった混合の場合のことですね
これもしっかり実験済みです
今回はHDとLDを混合してみます!
試験内容:総合押出量50kg/hに対して主材15kg/h、kg、サブ材10kg/hの混合
目標とする主剤とサブ材の割合:60:40
試験結果がこちら
回数 | 主材[g/m] | 着色剤[g/m] | 割合 |
1回目 | 243 | 165 | 59.6:40.4 |
2回目 | 255 | 168 | 60.3:39.7 |
3回目 | 258 | 169 | 60.5:39.5 |
今回60:40で実験していますが40:40でも特に問題ないです!
④嵩比重の大きく異なる原料の混合
最近フィルムの切れ端を非加熱で再度ペレットに戻す、非加熱再生方式が流行りつつありますが…
どうしても再生材は主剤に比べて見かけ比重が小さくなってしまいます
非加熱再生材は主剤に比べて、大きさが同じでも重さは半分以下になります
比重差がある混合はまぜコンが得意とする分野です!
というわけで実験してみました
試験内容:総合押出量50kg/hに対して主材46.5kg/h、再生材3.5kg/hの混合
目標とする主剤と再生材の割合:93:7
試験結果がこちら
回数 | 主材[g/m] | 着色剤[g/m] | 割合 |
1回目 | 807 | 60 | 93.1:6.9 |
2回目 | 758 | 55 | 93.2:6.8 |
3回目 | 795 | 58 | 93.9:6.8 |
⑤300g/h以下の微量混合
別置き混合機だと、300g/h以下…40g/hの混合ができないのに…
まぜコンならできます!
今まで微量混合が出来ずにお断りしていたあんなオーダーやこんなオーダーまで受注できますよ!
300g/hは特殊な混合になってくるので、マルヤスの特許技術を盛り込んだ『微量ユニット』というサブユニットを作りました
まぜコン本体には何ら細工することなく、標準ユニットと微量ユニットを交換するだけで微量混合が可能になるので、面倒な設定変更は一切必要ないんです
それでは実験結果をお届けしましょう
試験内容:総合押出量25kg/hに対して主材24.7kg/h、サブ材0.3kg/hの混合
目標とする主剤と再生材の割合:98.8:1.2
試験結果がこちら
回数 | 主材[g/m] | 着色剤[g/m] | 割合 |
1回目 | 415 | 5.2 | 98.8:1.2 |
2回目 | 412 | 5.0 | 98.8:1.2 |
3回目 | 420 | 5.2 | 98.8:1.2 |
いかがでしたか?
今回はまぜコンの混合精度について、実際に試験を行って混合の正確性をお伝えしました
まぜコンの混合精度に不安があった皆様も、今回のコラムでそれを払しょくできたのではないでしょうか?
え?まだまだ不安?
分かりました!まだまだ沢山あるまぜコンの良さをお伝えしていきましょう!
しゅんぺいさん、コラムが長くなってきたのでそれはまた次回以降にしましょうね
えっ
次回は、他にもまだまだある従来混合機の問題点についてお話ししていきます
それではまた次回お会いしましょう~
お読みいただきありがとうございました~!
本記事ではillust STAMPO様の素材を使用しています。
今回のコラムを動画にしてみました。ぜひご覧ください。