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まぜコンが混ぜなくても良いヒミツ|まぜコンシリーズ

今回は、マルヤスのロングセラー商品混ぜない不思議な計量混合装置『まぜコン』の混ぜなくても混ざるヒミツについてお話をしていきたいと思います。

混合装置なのに混ぜないの?どういうこと?ちゃんと混ざるの?そんな疑問にお答えしていきます。

↓前回の記事はこちらから↓

お話ししてくれるのは前回に引き続いて

謎の男しゅんぺいさんと、技術部 部長補佐の石川さんです。

よろしくお願いします!

おさらいと、用語の説明

石川

前回は混合ムラに困っているプラスチックフィルム製造の現場の人の声を聞いて、なんとか混合ムラをなくしたい想いから、まぜコンの開発に乗り出したことをお話ししましたね

しゅんぺい

今回はまぜコンのキャッチコピー『混ぜない不思議な計量混合装置』の理由でもある、混ぜなくても混ざるヒミツについてです!

ちょっと専門的になりますが、張り切っていきましょう!

石川

その前にちょっと豆知識です!

フィルムを作る上でベースとなる原料……メイン材や主原料と呼ばれる原料があります

そしてベースの原料に様々な特性を持たせるために加えているのが、添加材やサブ原料と呼ばれる原料です

これらの原料は持っている特性も形も比重も異なっているんですよ

ここでは主原料、添加材と呼ぶようにするので、混乱しないようにしてくださいね

まぜコンが混ぜない理由

しゅんぺい

まずはまぜコンの仕組みについてざっくりお話ししていきます

まぜコンは、押出成形機の上に直付けされた混合装置です

こんな感じ

しゅんぺい

主原料は自然落下で押出成形機の中に入っていき、添加材は押出成形機に主原料を投入する部分の側面から入れるユニットを作っています

こんな感じ。左側がサブユニット

しゅんぺい

この添加剤を投入するユニット…サブユニットと呼んでいますが、これは添加材の重量を計量しながら、スクリュー回すことで原料を搬送します

で、このスクリューの先端部分から出てきた原料を、主原料が流れている計量機の下部に落とすことで添加材を強制的に送り込んでいます

石川

あれ?これだけですか?混ぜる構造体は??

しゅんぺい

そうなんです、これだけなんです!ここで混ぜない不思議な混合装置の出番です

マルヤスは混合の常識を覆しちゃいました!

なんとびっくり
混ぜなくても混合できちゃいます

しゅんぺい

説明しましょうね!

その前に石川さん、混ぜるって聞いてどんなものを想像しますか?

石川

うーん、ミキサーとかですかね?

しゅんぺい

そうですよね

ミキサーみたいに羽が付いていて、材料同士をガラガラ混ぜるものを想像しますよね

でもまぜコンは一般的な混ぜる構造体はありません

それはなぜか……ズバリ、混合装置で混ぜなくても押出成形機が混ぜてくれるからなんです!

石川

なるほど分からん

しゅんぺい

押出成形機のことをもう少し詳しくお話ししますから安心してください!

押出成形機は粒上のペレット原料が熱と共に溶けながら、押出成形機の中にあるスクリューの混錬効果で粒が小さくなっていきます

そして、フィルム製品ができたときにはペレットは一つもない状態になっていますね

ということは、押出成形機でペレットたちは勝手に混ざりあって溶けていってくれるということです

しゅんぺい

つまり、押出成形機には次の3つの機能があるのです

加圧機能

加圧機能は、まるでシャーペンから芯を押し出すように、材料を所定の形状に押し出す際の必要な力を制御する役割を果たします。この機能によって、プラスチック原料が高い圧力の下で押し出され、均一な厚さと幅を持ったフィルムに形成されます。プラスチックの物性と形状をコントロールするために、加圧機能は重要な役割を果たします。

加熱機能

押出機の加熱機能は、押出機内のシリンダーと呼ばれる筒状のものの内壁に配置されたヒーターと、シリンダー内のスクリューによって行われます。例えば、プラスチックを使った製品を作るときはプラスチックを柔らかくするために加熱する必要があります。プラスチック押出機では、電熱式が一般的で、これによってプラスチックが溶けて柔らかくなり、形が作りやすくなります。

そして、スクリューは押出機の心臓部となるもっとも重要な部品で、原料を混練しながら前方に運びます。スクリューが回転することによって、原料はせん断熱を受けて温度が上昇し、溶融状態になります。適切な加熱機構を使用することは原料の均一な溶融につながり、プラスチック樹脂の流動性を一定に保ちます。その結果、成形品の品質の向上を図ることができます。

混錬機能

押出成形機の混錬機能は、複数のプラスチック原料を均一に混ぜ合わせるための機能です。フィルムの製造において、時には異なる種類のプラスチックを組み合わせて特定の特性を持たせたり、色を付けたりすることがあります。混錬機能は、これらの原料が均一に混ざり合って均質な組成を持つよう確保し、一貫性のある製品を形成します

これらの機能が押出成形機の鍵となり、プラスチックフィルムの製造において高い精度と品質を実現しています

しゅんぺい

後は押出成形機に入る前に、決められた配合通りに原料が入れば問題がないわけです

だって押出成形機が混ぜてくれるので、事前に混ぜておく必要が特にないですよね

マルヤスがやらないといけないのは、配合割合が常に一定に保たれている原料を押出機に送り込むこと!

あとは押出成形機の中の機能だけできれいに混ざりあうことを発見しちゃったわけなんです

石川

押出成形機の機能だけで十分な混錬が出来るので、わざわざ混ぜる必要がない・・・押出成形機に配合割合が常に一定に保った原料を送り込むのがまぜコン・・・だから『混ぜない』不思議な計量混合装置なんですね!

でもこれ、決められた配合通りに入れ込む技術って相当難しそうですよね…

ふわふわの軽いものとずっしり重いものを均一に……

しゅんぺい

そのとーり!

というわけで、次回はまぜコンが製品になるまでとーっても苦労した開発秘話についてお話していきたいと思います!

乞うご期待ください!

石川

それではまたお会いしましょう

しゅんぺい

お読みいただきありがとうございました~


今回のコラムを動画にしました。しゅんぺいさんと石川さんの生の声が収録されています。ぜひご覧ください。

https://youtu.be/M9m3dtMWR_0?si=FDUQpIQR3jdflUr5
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